免疫療法について具体的な治療方法を教えて下さい。

①LAK(活性化リンパ球療法)……
癌治療に関与する細胞は、T細胞、B細胞(抗体産生)、 NK細胞、 マクロファージ等があります。
LAKとは、患者様から血液30~40mlを採取し、そこからリンパ球を分離し、 質、量ともに増強させ、
これを患者様に点滴にて戻す療法です。
主にTリンパ球、NK細胞を戻します。  

週に1回~2回が基本です(原則6回で1クールです)。
採血から点滴投与まで約2週間程度かかりますが、

患者様の状態によってはそれ以上かかることがあります。
(ハズしまぶくろクリニック)

 

②TIL(腫瘍浸潤性リンパ球療法)………
癌で胸やお腹に水が溜まりますと、患者様また御家族の方”もはやこれまでか”と

どん底に突き落とされる思いをします。  

このような状況では多くの場合は穿刺し、タンパク濾過もしくは廃棄するのが一般でした。  

しかし、胸水、腹水中に癌細胞が存在している場合には、癌細胞を抑えるために、リンパ球が存在します。

そのリンパ球は癌抗原(名札)を認識していると考えられます。  

このリンパ球を培養し、点滴(血管内)、胸腔内または腹腔内に戻す方法をTILといいます。  

自験例では、膵臓癌の非手術患者様で、

他院で1-2ヶ月の余命宣言後2年以上QOLを保ち普通の日常生活を  

送ってこられました患者様を経験してます。
また、肺癌の患者様の胸水がTIL後数ケ月で消失した症例等多数経験しております。
週に1~2回、平均4~6回(材料により異なる)の投与になります。
初回培養には、胸水・腹水穿刺からは3週間程度かかりますが、

2回目以降は2週間程度で患者に戻すことができます。
まれに細菌性胸腹水の場合、培養が不可能のこともあります。

(ハズしまぶくろクリニック)

 


③DCI(樹状細胞腫瘍局所注入療法)………
分離採血という方法で、血液中より単球を抽出し、 樹状細胞に成熟培養します。
樹状細胞は貧食細胞の一つで、癌細胞を食べた後、癌抗原(癌の名札)をリンパ球に

提示するという癌免疫では非常に重要な役割を持つ細胞です。
これを内視鏡や超音波を用いて、体表の腫瘍や深部腫瘍に直接注入する方法です。
週1回、平均4~5回の投与になります。DCI(樹状細胞)とLAK(活性化リンパ球)の

組み合わせはとても戦略的で、有効例も多数あります。(ハズしまぶくろクリニック)

 

 

④自家がんワクチン療法………
手術で摘出した患者様自身の癌組織を化学的に固定し、安全に不活化したうえで

特殊な免疫刺激剤で加工し、癌ワクチンとして用いる方法です。
癌の再発や転移の予防、ならびに残在する微小癌の治療を目的としています。
本治療法はセルメディシン株式会社で開発された治療法です。
ワクチン作製までは癌組織をご提出してから約1週間かかり、合計5回の摂取が

1~1.5ヶ月で終了します。
(ハズしまぶくろクリニック)

 

2014年12月15日